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大学合格実績の見方

 わが子に、ニート・フリーター・ワーキングプアになってもらっては困る。正社員にならないと結婚も出来ない。・・・・・・わが子がこれから生きていく社会の現実が厳しいだけに、わが子が「下流」にならないように、いい大学に進ませてやりたい。いま子どもを持つ多くの親がそうした心理状態にあるのではないでしょうか。
 大学合格者数は同じ学校でも年度によって大きく違います。それは、卒業生数が年度によってかなり違うこと、前年に浪人している人数が違うこと、教員構成が中1からずっと持ち上がる学年団というスタイルをとっている学校では、学年団を構成する教員の力量に差があること・・・・・・などで、教育内容に変化がなくても変わります。逆な言い方をすれば、大学合格実績が悪くなっても学校の中身が悪くなっているわけではないのです。ですから、単年度の数字で判断するのではなく、5、6年くらいのスパンで上昇傾向にあるのか下降傾向にあるのか見ることが必要です。
 また学校によって卒業生数が大きく違うので、絶対数だけを見るのではなく、率という視点が必要です。
 学校のHPをよくのぞくと思います。各校のHPを見ると、「進学実績」「進路状況」と表記していながら、実際は「のべ合格者数」の数字であることがほとんどです。これは、他校と比較されたときに見劣りするのを避けるため「のべ合格者数」で表記しているのです。
 「のべ合格者数」というのは、1人の生徒が10の大学(学部)に合格すれば10とカウントされます(「センター試験利用入試」の広がりでものすごく膨らんでいる学校がある)。
 これに対して、「進学者数」を公表する学校が徐々に増えてきました。生徒が実際に進んだ大学だけをカウントしようというもので、文字通り「進学実績」になるわけです。
 また、大学合格者数は、つい難関大学の数字ばかりに注目してしまいがちです。実際1名、2名でも東大合格者が出ると、翌年応募者数が飛躍的に増加するという現象がよく見られます。しかし、冷静に考えてみて「東大1名、2名」にわが子が入る確率がどれだけあるでしょうか。1人、2人の合格者数より、一番多く合格しているのはどのくらいの難易度の大学なのか、ボリュームゾーンの進学先のほうが、将来わが子の進路になる可能性が高いのではないでしょうか。
 このように大学合格者数としていろんな出版物、HPに出回っている数字からもいろんなものが見えるということをこの機会に知っておいてください。

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3~5年生はどう過ごす?

 3年生、4年生、5年生のお子さんも受験勉強のスタート時期はバラバラでしょう。今回は最近中学受験することに決め、塾に通いだしたばかりというお子さんについてお話しましょう。
  

 塾に通いだしたばかりで、新鮮な気持ちで毎日楽しく通っている、そんな状態なら本人に任せておきましょう。テストの成績が悪くても、クラスが下位であっても、受験勉強を始めたばかりなのですからそうした状態は当然です。しばらくは成績には目をつぶるくらいの気持ちでいてください。
 ときどきテキストをのぞき込んで、「すごいこと習っているのね」「こんな問題解けちゃうの? ママはできないな」・・・・・・などと声がけし、子どもが受験勉強を楽しく感じるようもっていってください。 
 
 また、今の子は住宅事情の関係から動物を飼ったり、植物を育てたりする経験が乏しくなっています。また、虫に触れなかったり、裸足で泥の中に入れなかったり、星を観察した経験がなかったり……といった自然体験が乏しくなっています。
 こうした教科の勉強以外の経験が乏しいと、面白がるもの、強い関心を抱くものが何もなかったりします。子どもは大好きなものについては飽きることなくいつまでも関わり続けます。そうしたこだわる対象があってはじめて、自分から調べる姿勢が自然と身につき、深い勉強につながるのです。  
 
 ですから、忙しくなる受験学年になる前に、この大好きなものに出会うキッカケを作ってあげていただきたいのです。長い目で見れば、テキストに向かう時間以上に、大好きなものが何かあるほうが子どもの成長に影響します。  最後に、体力をつけることを是非やってください。毎年、肝心の6年の追い込み期に体調を崩してしまう受験生がいます。また体力がないために気力も湧かないケースも頻繁に見られます。そうならないために、5年までに体を鍛えておくことが大切です。 
 外遊びも十分にしておかなかったために、受験生活に入った後も、「なんとなく欲求不満状態」という受験生がいます。そうならないためにも、5年までは外で思いっきり遊ぶことも大切です。

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家の手伝いが世界を広げる

 入学手続きを終えて、「これで長かった受験生活もようやく終わった」・・・・・・と、安堵されている方が多いのではないでしょうか。が、なかには、何をする気も起きず、エアポケットにでも入ったかのような空虚感にとらわれているお母さんもいることと思います。
 
 いいではありませんか。
 これまでさんざん頑張ってきたのですから、少しお休みしましょう。
 お子さんと離れて、自分だけの時間を持ってください。これからは自分の時間を充実させる――それが大切です。ハッキリそういう意識を持たないと、これまでのクセで何事にも手を出し、口を出す状態が続いてしまいます。
 
 お子さんももう中学生。これからは面倒を見るのでなく、少しずつ自分のことは自分でやらせてください。家の手伝いもさせてください。
 
 この間、新聞を読んでいたら、幼稚園の園長さんがこんなことを書いていました。
「若いお母さんのなかには、家でお湯を沸かしてお茶を淹れるという経験をしてこなかった人がいる。いつもペットボトルで、お茶も工業製品という感覚。勉強さえしていれば、親は満足していた、という育てられ方をしたようだ」
 事態はここまできているのかと、ちょっとビックリしました。
 
 急須、湯のみ、茶たく・・・、煎茶、抹茶、玉露・・・お茶を淹れるだけでも、語彙が増え、世界が広がるものです。手伝いをするということは、単に親を助ける、労働をするということだけではないのです。手伝いを通じて自分の世界が広がるのです。

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不本意な結果のときほどお母さんの姿勢が重要

 この時期、ご家庭の事情は様々なことと思います。うれしい結果だったというご家庭は問題ないので、今回は不本意な結果だったお母さんに対してお話しましょう。 
 
 合格をつかんでいても、そこが第4志望、第5志望だった場合には、後悔やら、悔しい気持ちやら・・・・・・精神的に落ち込んでいることと思います。緊張が解けて、長い受験生活の疲れがどっと出て、何をする気も起きない・・・・・・この時期そうした真空状態になるお母さんが毎年大勢います。 
 
 また、一緒に勉強してきた友だちとの間で、塾での普段の成績と受験の結果が逆転することも往々にしてあります。時間も労力もお金もかけて、全力をつくしてきた末のこうした理不尽な結果に、「○○ちゃんがA学園に受かったのに、どうしてうちの子はB中学にしか受からなかったのか」「あれだけやったのに、こんなことになるとは思ってもいなかった」・・・・・・、朝から晩までこうしたことが頭をよぎり、外で知った人に会いたくないと家の中にこもるお母さんもいたりします。
 が、打撃を受けているのはお母さんだけではありません。本人もショックを受けているのです。それを、お母さんが嘆き悲しんでいたら、ママをこんなにも悲しませてしまったと、子どものショックは2倍になってしまいます。
 
 難しいかもしれませんが、○○ちゃんのA学園入学を喜んであげましょう。お母さんが理不尽な結果に対して、「○○ちゃんはマグレで受かったのよ」「入ってからついていけるかしら」などと口にしていては、子どもはいつまでも立ち直れません。
 「○○ちゃん、よかったね。あなたももう少しだったんだから、よく頑張ったよね。B中学も先生方が熱心そうだから、楽しみだね」、子どもの前では立派なお母さん役を演じましょう。

 悔し涙を流すのは一人きりのとき。ショッピングに出かけたり、映画を観たり、遠くの街でお茶したり、非日常の時間を持ってください。○○ちゃんのことを喜んであげられるお母さんの姿を目にすれば、子どもも案外強い子どもになります。 
 
 第1志望に受かったお母さんよりも、子どもに与える影響がずっと大きいのが不本意な結果だったお母さんなのですから、気持ちを強く持ってください。 
 
 それがこの時期の私からのお願いです。

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受験スケジュールを変更しない

 1月入試で予想外の不合格だったりすると、お母さんが動揺してしまって、決めていた2月1日以降の受験スケジュールを全面的に変更したいといってくることがあります。
が、入念に受験スケジュールを立てて決めた学校をここで変更することは無謀です。これまで「過去問」をやるなどして対策を立ててきた学校はそのまま受けましょう。少々偏差値が低いところに変更するより、偏差値が高くても対策をしてきた学校のほうが受かりやすいからです。
 どうしても不安だったら、後半戦にこれまでに説明会に足を運んだことがある学校のなかからいちばんやさしい学校を選び、追加出願しましょう。後半戦は、前日まで、学校によっては試験当日の朝でも受け付けてくれます。出願書類が手元になければ、受験料・写真・印鑑・筆記用具を持って学校に駆けつけます。その場で記入して出願することも可能です。
 ここからは、親も子も平常心でひたすら計画通り着実に受験スケジュールをこなしていくことが大切です。

役割分担を今一度確認

 
 2月に入ると、連日のように試験の付き添い、合格発表の確認、合格していれば書類の受け取り、入学金の納入、入学手続き…、不合格ならば付き添いがまだ続き、ケースによっては受験校探しから出願…と、疾風怒濤の日々になります。
 1日1日の両親の役割分担を今一度確認して、事務的なことでミスをしないよう、一つ一つ落ち着いてこなしていってください。

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合格発表後の過ごし方が大切

 首都圏のトップを切って(千葉の学校の中には12月に推薦入試を行っているところがありますが)、1月10日から埼玉の入試が始まりました。地方の学校の首都圏会場入試もほとんどが終わっています。ですから読者のなかにはすでに合格・不合格の通知を受け取った家庭もあるでしょう。
合格していた場合は一安心ですが、志望順位が高い学校がこれから控えているならば、この合格を利用して「すごいじゃない! この調子で○○中も突破だね」と、お子さんの気持ちをどんどん乗せていきましょう。12歳くらいだと、自信がつくと思わぬ力を発揮するものです。
 
 問題は不合格だったとき。お母さんもショックが大きいことと思いますが、決して本人の前では落胆、動揺を言葉・表情に出さないこと。親が不安になると、子どもにもすぐ伝染します。
落ちたとき、お子さんを慰めたり、その学校を悪く言ったりするお母さんがいますが、慰めること、悪口はかえってお子さんの気持ちを沈ませてしまいます。いまは慰めの言葉は要りません。
大切なことは、本人はもちろんお母さん自身も次の試験に向けて気持ちを前に向かわせることです。

出願にあたって

 以前は願書受付初日の出願数で、入試当日の実受験者数が大体読めましたが、最近はそうしたことが難しくなりました。インターネットの発達で、出願状況を自宅でチェックできることが出願の様子を大きく変えているのです。 
お父さんが、お子さんの受験予定校の出願数をこまめにチェックし、倍率状況を見て、ギリギリまで出願先を決めないご家庭があるのです。
 
 ですが、これは危険です。あくまで受験するつもりで準備してきた学校を最優先するべきです。
お子さんのモチベーションを第一に考えていただきたいことと、倍率が高くてもそれなりに対策を立ててきた学校のほうがやはり受かりやすいからです。
 
 ここまできたら、志望動向など気にせず、お子さんが力を100%発揮できようにすることだけを考えるようにしましょう。

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受験校がまだ決まらない!

  
  11月下旬、東京の多摩で、お母さん方の小さな集まりに招かれました。主なテーマは受験相談です。その中のおひとりが、いまだに第一志望すら決まらないで、大変焦っていました。お話を聞くと、共学の付属校や女子の進学校・・・・・・いろんなタイプの校名が挙がってきました。お子さん本人も「どこでもいい」と言っているというのです。  
 
  最近はこの例のように、いつまでも受験校が決まらないでいるケースが少なくありません。お子さんの成績が安定しないからということもありますが、こういうお母さんは、わが子にはどういう学校がふさわしいのか、自分ではどういう学校が望ましいと思っているのか・・・・・・そうしたことがハッキリしていないことが多いのです。  
 
  自分の考え・意思がないままに、いろんなタイプの学校を訪問して、ますます選択の根拠がわからなくなって泥沼に陥っている、そんな様子です。  
 
  こんなときに、塾トモのお母さんから、あれこれ学校の情報を仕入れても解決するものではありません。むしろ、自分ひとりの時間をもち(夫が受験に協力的なら話し合いの時間をつくり)、「何を望んで中学受験するのか」、「わが子をどう育てたいのか」・・・・・・といったことを、冷静に自分の頭で考えてみてください。 
 
  わが子をどんな学校に進ませるか、その判断の根拠は、学校から提供される情報にあるのではなく、ご自分(ご家庭)が「わが子をどのように育てたいのか」というこちら側の姿勢にあるということを肝に銘じてください。 
 
  それをしっかり持っていないから、「○○中は最近伸びているそうよ」「△△学園のほうが2ポイントも偏差値が高いわよ」・・・・・・といった外野の声を耳にするたびにぐらついてしまうのです。

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低学年でやっておきたいこと

今はお父さん・お母さんがわが子に早くから勉強させようという雰囲気になっています。ですが、1、2年から交通機関を利用してまで遠くの大手塾に通う必要はないでしょう。経済的に余裕があるなら、勉強習慣をつける、机に向かうクセをつけるという意味で、近くの個人塾に週2回通うくらいでいいのではないでしょうか。

むしろご家庭での過ごし方に留意ください。今の子は学力のベースとなる「語彙力」がとても乏しくなっています。それは、親の責任も大きいと思います。同年代としか話さなかったら、語彙が増えるわけがありません。語彙が不足していれば、新聞を読んでも本を読んでもわからない言葉ばかり。読む気が起きないのは当たり前です。これは親戚や近所の人が家に上がるのを敬遠するようになった、セールスの人を家に入れなくなった、子連れの外出はいつも車……要するに子どもがよその大人と接する機会を奪ってきた親の責任です。

 「語彙力」を伸ばす基本は家庭での会話です。そのためには親子で顔を合わせる時間を増やさなければなりません。お父さんの仕事の都合でどうしても夕食は銘々バラバラな「個食」になってしまうのなら、朝食だけは一緒に摂るようにしましょう。そもそも朝食を摂ることはきわめて重要です。学校は午前中に4時間の授業があります。つまり午前中が勝負。食事を摂ることで体温が上がり、脳も働きます。食事をしないで行くことは、頭が働かない状態で行かせるということ。

 おじいさん、おばあさんが近くに住んでいたら、できるだけ遊びに行かせるといいでしょう。おじいさん、おばあさんに子ども言葉を使ってもらうのではなく、ごく普通に話してもらうのです。昔の話、家にある道具の話(畳、襖、箒など、古い家には今の子が知らないものがいっぱいあります)、年中行事の話……、そうしたものについての知識が、小説や物語を読んだときに理解を助けてくれます。

また、会話の材料としては新聞が有効。ニュースはネットでわかるからと、新聞を購読する人が減っていますが、子どもに読ませるためにも購読したいものです。

読書も潜在的学力を高めるために重要な役割を果たします。けれども親が読まないで、子どもが読むわけがありません。居間にさまざまなジャンルの本を置いておき、親自身が読んでいる姿を見せましょう。

低学年のときのこうした生活のしかたが高学年になったときに大きく影響することを知っておいてください。

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「いい受験」「わるい受験」

 先日、「アエラ・キッズ」で、私立中学の先生4人と、「『いい受験』『わるい受験』」というテーマで座談会を持ちました。

 私立中学の先生がもっとも気にされていることのひとつが、「勉強ができることだけに価値を置いて育ってきている」ということです。定期試験で、カンニングしたり、答案返却後に答案用紙を改ざんして持ってきたりする生徒がいるそうですが、それは成績が悪いとしかられるという生活をずっと送ってきたことが、こうした行為を生んでいるのではないかといいます。

また、私立中学に入学すると、小学校時代にクラスでトップだった子でも、150番、200番という順位をとることになります。このとき、「勉強ができることだけ」をほめられてきた子は、他に自分の存在価値を見つけられず、何事にも自信を失ってしまうそうです。

受験生活ではどうしても成績が最大の関心事になります。だからこそ、わが子の別の面のよさを見つけ、それを評価してあげてほしいのです。人間の価値は、いろんなところにあること、自然にそのことを知っている子は、友だちもそういう面で見ることができますから、さまざまな友だちができます。

受験生活では、子どもの奮起を促すために、「○○ちゃんには絶対負けないでね」「今度のテストは○○ちゃんに勝ったわね」といったことをつい口にするお母さんがいます。これが3年間も続くと、子どもにとって友だちは競争相手であって、協力しあう相手ではなくなります。この意識が強すぎると、入学後にいい友だち関係を築けない、勉強面でも友だちから学ぶということができず、大変マイナスで残念だということです。

また、受験生活が長くなると、金銭的、肉体的負担から夫婦ともに非常にストレスがかかります。はじめてといっていい家庭の大問題なので、これまで育ってきたお互いの人生観がぶつかります。

激しい「喧嘩」状態になったり、挙句の果てに「無視」しあうようになったり・・・・・・というご家庭もしばしば目にします。

子どもの幸せを願って始めた受験なのに、これでは何にもなりません。大切な夫婦関係が、受験で損なわれることがないよう、冷静に話し合って、協力し合って受験生活を送ってほしいものです。

ここからは私の意見ですが、「『全勝』は必ずしもいいとはいえない」結果になることがあります。子どもによりますが、中には「人生を甘く考えるようになる」子がいるのは事実です。ですから、「1つくらい不合格を経験した方がいい」ように思います。

一方、「効率よく、さほど努力しないで、親も苦労しないで合格」も望ましくないのです。

キレイゴトのように思われるかもしれませんが、合格・不合格の「結果」以上に、子どもがやるだけのことはやったという経験をし、親がわが子の努力を十分理解し、その努力をほめられる受験こそ、「いい受験」だと思うのです。

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いよいよ模擬試験シーズン!

 9月以降は、これまでの受験勉強での学力の進捗状況を見るために、また志望校をどこにするか絞るために、何回か模擬試験を受けることになります。

 受験勉強のスタートが遅く、まだ全範囲を学習し終えていないようなら、模擬試験を受けるのは先に延ばしても構いません。まだ一通り勉強し終えていないのに、皆が受けるからと受けて、悲惨な点を取って、受験への熱が一気にしぼんでは困るからです。

自信があるお子さんは別ですが、最初は問題もやさしめな模試を受けるようにしてはどうでしょう。いい成績が取れれば、子どももやる気を起こすからです。

模試では、全体の偏差値以外にも教科ごとの偏差値が出されます。また志望校欄に学校名を書くことで、各校の合格の可能性を出してくれるので、これから追い込み勉強を進める上で手がかりになります。

志望校欄には6つくらい校名を書けるのが一般的ですが、1つは思い切ってやさしい学校を書くといいでしょう。いまの段階でニコニコマークや「合格可能性50%」と出れば、子どもはうれしくなって前向きな気持ちになります。

 模試を受けだすと、親は返ってきた成績表で一喜一憂する日々を送ることになります。「あれだけ勉強したのに、なんでこんな成績なの?」「いちばん入れたいところは可能性ゼロ!」―これから何度となく頭を抱えることになるでしょう。

 毎回大きく違って当たり前なのです。回ごとに問題が違い、お子さんの得意・不得意とマッチしたり、ミスマッチしたり、模試当日頭がさえていたり、集中力がなかったり……そんなことで普段の力が100%発揮できることもあれば、60%しか出せないこともあります。

 ほとんどのお父さん・お母さんは「合格の可能性」と「偏差値」に目が行き、「○○中はムリ。もっと別なところを探さなければ…」、「受験勉強のしかたそのものがマズイのではないか。塾を替えたほうがいいのでは…」、「もっと上を望めるのでは…」といったことばかりを考えがちです。

けれども、結果に一喜一憂して騒がないでください。お父さん・お母さんの動揺はお子さんを不安にします。

「受験校を変更したほうがいいか…」は11月以降からの話であり、10月までは「どこを間違えたのか」をチェックしてやり直す、「弱い分野・単元はないか」を発見して、そこをテキストにもどって復習する、そうしたことに重点を置いてください。

 

安田 理

【プロフィール】
東京都出身。早稲田大学卒業後、(株)学習研究社入社。
雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。教育情報編集部長を最後に同社を退社。
2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルタントなど幅広く活躍中。

【WEBサイト】
http://yasudaken.com/