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2009年11月の記事一覧

【カテゴリ】未分類

低学年でやっておきたいこと

今はお父さん・お母さんがわが子に早くから勉強させようという雰囲気になっています。ですが、1、2年から交通機関を利用してまで遠くの大手塾に通う必要はないでしょう。経済的に余裕があるなら、勉強習慣をつける、机に向かうクセをつけるという意味で、近くの個人塾に週2回通うくらいでいいのではないでしょうか。

むしろご家庭での過ごし方に留意ください。今の子は学力のベースとなる「語彙力」がとても乏しくなっています。それは、親の責任も大きいと思います。同年代としか話さなかったら、語彙が増えるわけがありません。語彙が不足していれば、新聞を読んでも本を読んでもわからない言葉ばかり。読む気が起きないのは当たり前です。これは親戚や近所の人が家に上がるのを敬遠するようになった、セールスの人を家に入れなくなった、子連れの外出はいつも車……要するに子どもがよその大人と接する機会を奪ってきた親の責任です。

 「語彙力」を伸ばす基本は家庭での会話です。そのためには親子で顔を合わせる時間を増やさなければなりません。お父さんの仕事の都合でどうしても夕食は銘々バラバラな「個食」になってしまうのなら、朝食だけは一緒に摂るようにしましょう。そもそも朝食を摂ることはきわめて重要です。学校は午前中に4時間の授業があります。つまり午前中が勝負。食事を摂ることで体温が上がり、脳も働きます。食事をしないで行くことは、頭が働かない状態で行かせるということ。

 おじいさん、おばあさんが近くに住んでいたら、できるだけ遊びに行かせるといいでしょう。おじいさん、おばあさんに子ども言葉を使ってもらうのではなく、ごく普通に話してもらうのです。昔の話、家にある道具の話(畳、襖、箒など、古い家には今の子が知らないものがいっぱいあります)、年中行事の話……、そうしたものについての知識が、小説や物語を読んだときに理解を助けてくれます。

また、会話の材料としては新聞が有効。ニュースはネットでわかるからと、新聞を購読する人が減っていますが、子どもに読ませるためにも購読したいものです。

読書も潜在的学力を高めるために重要な役割を果たします。けれども親が読まないで、子どもが読むわけがありません。居間にさまざまなジャンルの本を置いておき、親自身が読んでいる姿を見せましょう。

低学年のときのこうした生活のしかたが高学年になったときに大きく影響することを知っておいてください。

2009/11/30 17:28:48

【カテゴリ】未分類

「いい受験」「わるい受験」

 先日、「アエラ・キッズ」で、私立中学の先生4人と、「『いい受験』『わるい受験』」というテーマで座談会を持ちました。

 私立中学の先生がもっとも気にされていることのひとつが、「勉強ができることだけに価値を置いて育ってきている」ということです。定期試験で、カンニングしたり、答案返却後に答案用紙を改ざんして持ってきたりする生徒がいるそうですが、それは成績が悪いとしかられるという生活をずっと送ってきたことが、こうした行為を生んでいるのではないかといいます。

また、私立中学に入学すると、小学校時代にクラスでトップだった子でも、150番、200番という順位をとることになります。このとき、「勉強ができることだけ」をほめられてきた子は、他に自分の存在価値を見つけられず、何事にも自信を失ってしまうそうです。

受験生活ではどうしても成績が最大の関心事になります。だからこそ、わが子の別の面のよさを見つけ、それを評価してあげてほしいのです。人間の価値は、いろんなところにあること、自然にそのことを知っている子は、友だちもそういう面で見ることができますから、さまざまな友だちができます。

受験生活では、子どもの奮起を促すために、「○○ちゃんには絶対負けないでね」「今度のテストは○○ちゃんに勝ったわね」といったことをつい口にするお母さんがいます。これが3年間も続くと、子どもにとって友だちは競争相手であって、協力しあう相手ではなくなります。この意識が強すぎると、入学後にいい友だち関係を築けない、勉強面でも友だちから学ぶということができず、大変マイナスで残念だということです。

また、受験生活が長くなると、金銭的、肉体的負担から夫婦ともに非常にストレスがかかります。はじめてといっていい家庭の大問題なので、これまで育ってきたお互いの人生観がぶつかります。

激しい「喧嘩」状態になったり、挙句の果てに「無視」しあうようになったり・・・・・・というご家庭もしばしば目にします。

子どもの幸せを願って始めた受験なのに、これでは何にもなりません。大切な夫婦関係が、受験で損なわれることがないよう、冷静に話し合って、協力し合って受験生活を送ってほしいものです。

ここからは私の意見ですが、「『全勝』は必ずしもいいとはいえない」結果になることがあります。子どもによりますが、中には「人生を甘く考えるようになる」子がいるのは事実です。ですから、「1つくらい不合格を経験した方がいい」ように思います。

一方、「効率よく、さほど努力しないで、親も苦労しないで合格」も望ましくないのです。

キレイゴトのように思われるかもしれませんが、合格・不合格の「結果」以上に、子どもがやるだけのことはやったという経験をし、親がわが子の努力を十分理解し、その努力をほめられる受験こそ、「いい受験」だと思うのです。

2009/11/10 12:57:08

安田 理

【プロフィール】
東京都出身。早稲田大学卒業後、(株)学習研究社入社。
雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。教育情報編集部長を最後に同社を退社。
2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルタントなど幅広く活躍中。

【WEBサイト】
http://yasudaken.com/