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合格発表後の過ごし方が大切

 首都圏のトップを切って(千葉の学校の中には12月に推薦入試を行っているところがありますが)、1月10日から埼玉の入試が始まりました。地方の学校の首都圏会場入試もほとんどが終わっています。ですから読者のなかにはすでに合格・不合格の通知を受け取った家庭もあるでしょう。
合格していた場合は一安心ですが、志望順位が高い学校がこれから控えているならば、この合格を利用して「すごいじゃない! この調子で○○中も突破だね」と、お子さんの気持ちをどんどん乗せていきましょう。12歳くらいだと、自信がつくと思わぬ力を発揮するものです。
 
 問題は不合格だったとき。お母さんもショックが大きいことと思いますが、決して本人の前では落胆、動揺を言葉・表情に出さないこと。親が不安になると、子どもにもすぐ伝染します。
落ちたとき、お子さんを慰めたり、その学校を悪く言ったりするお母さんがいますが、慰めること、悪口はかえってお子さんの気持ちを沈ませてしまいます。いまは慰めの言葉は要りません。
大切なことは、本人はもちろんお母さん自身も次の試験に向けて気持ちを前に向かわせることです。

出願にあたって

 以前は願書受付初日の出願数で、入試当日の実受験者数が大体読めましたが、最近はそうしたことが難しくなりました。インターネットの発達で、出願状況を自宅でチェックできることが出願の様子を大きく変えているのです。 
お父さんが、お子さんの受験予定校の出願数をこまめにチェックし、倍率状況を見て、ギリギリまで出願先を決めないご家庭があるのです。
 
 ですが、これは危険です。あくまで受験するつもりで準備してきた学校を最優先するべきです。
お子さんのモチベーションを第一に考えていただきたいことと、倍率が高くてもそれなりに対策を立ててきた学校のほうがやはり受かりやすいからです。
 
 ここまできたら、志望動向など気にせず、お子さんが力を100%発揮できようにすることだけを考えるようにしましょう。

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受験校がまだ決まらない!

  
  11月下旬、東京の多摩で、お母さん方の小さな集まりに招かれました。主なテーマは受験相談です。その中のおひとりが、いまだに第一志望すら決まらないで、大変焦っていました。お話を聞くと、共学の付属校や女子の進学校・・・・・・いろんなタイプの校名が挙がってきました。お子さん本人も「どこでもいい」と言っているというのです。  
 
  最近はこの例のように、いつまでも受験校が決まらないでいるケースが少なくありません。お子さんの成績が安定しないからということもありますが、こういうお母さんは、わが子にはどういう学校がふさわしいのか、自分ではどういう学校が望ましいと思っているのか・・・・・・そうしたことがハッキリしていないことが多いのです。  
 
  自分の考え・意思がないままに、いろんなタイプの学校を訪問して、ますます選択の根拠がわからなくなって泥沼に陥っている、そんな様子です。  
 
  こんなときに、塾トモのお母さんから、あれこれ学校の情報を仕入れても解決するものではありません。むしろ、自分ひとりの時間をもち(夫が受験に協力的なら話し合いの時間をつくり)、「何を望んで中学受験するのか」、「わが子をどう育てたいのか」・・・・・・といったことを、冷静に自分の頭で考えてみてください。 
 
  わが子をどんな学校に進ませるか、その判断の根拠は、学校から提供される情報にあるのではなく、ご自分(ご家庭)が「わが子をどのように育てたいのか」というこちら側の姿勢にあるということを肝に銘じてください。 
 
  それをしっかり持っていないから、「○○中は最近伸びているそうよ」「△△学園のほうが2ポイントも偏差値が高いわよ」・・・・・・といった外野の声を耳にするたびにぐらついてしまうのです。

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低学年でやっておきたいこと

今はお父さん・お母さんがわが子に早くから勉強させようという雰囲気になっています。ですが、1、2年から交通機関を利用してまで遠くの大手塾に通う必要はないでしょう。経済的に余裕があるなら、勉強習慣をつける、机に向かうクセをつけるという意味で、近くの個人塾に週2回通うくらいでいいのではないでしょうか。

むしろご家庭での過ごし方に留意ください。今の子は学力のベースとなる「語彙力」がとても乏しくなっています。それは、親の責任も大きいと思います。同年代としか話さなかったら、語彙が増えるわけがありません。語彙が不足していれば、新聞を読んでも本を読んでもわからない言葉ばかり。読む気が起きないのは当たり前です。これは親戚や近所の人が家に上がるのを敬遠するようになった、セールスの人を家に入れなくなった、子連れの外出はいつも車……要するに子どもがよその大人と接する機会を奪ってきた親の責任です。

 「語彙力」を伸ばす基本は家庭での会話です。そのためには親子で顔を合わせる時間を増やさなければなりません。お父さんの仕事の都合でどうしても夕食は銘々バラバラな「個食」になってしまうのなら、朝食だけは一緒に摂るようにしましょう。そもそも朝食を摂ることはきわめて重要です。学校は午前中に4時間の授業があります。つまり午前中が勝負。食事を摂ることで体温が上がり、脳も働きます。食事をしないで行くことは、頭が働かない状態で行かせるということ。

 おじいさん、おばあさんが近くに住んでいたら、できるだけ遊びに行かせるといいでしょう。おじいさん、おばあさんに子ども言葉を使ってもらうのではなく、ごく普通に話してもらうのです。昔の話、家にある道具の話(畳、襖、箒など、古い家には今の子が知らないものがいっぱいあります)、年中行事の話……、そうしたものについての知識が、小説や物語を読んだときに理解を助けてくれます。

また、会話の材料としては新聞が有効。ニュースはネットでわかるからと、新聞を購読する人が減っていますが、子どもに読ませるためにも購読したいものです。

読書も潜在的学力を高めるために重要な役割を果たします。けれども親が読まないで、子どもが読むわけがありません。居間にさまざまなジャンルの本を置いておき、親自身が読んでいる姿を見せましょう。

低学年のときのこうした生活のしかたが高学年になったときに大きく影響することを知っておいてください。

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「いい受験」「わるい受験」

 先日、「アエラ・キッズ」で、私立中学の先生4人と、「『いい受験』『わるい受験』」というテーマで座談会を持ちました。

 私立中学の先生がもっとも気にされていることのひとつが、「勉強ができることだけに価値を置いて育ってきている」ということです。定期試験で、カンニングしたり、答案返却後に答案用紙を改ざんして持ってきたりする生徒がいるそうですが、それは成績が悪いとしかられるという生活をずっと送ってきたことが、こうした行為を生んでいるのではないかといいます。

また、私立中学に入学すると、小学校時代にクラスでトップだった子でも、150番、200番という順位をとることになります。このとき、「勉強ができることだけ」をほめられてきた子は、他に自分の存在価値を見つけられず、何事にも自信を失ってしまうそうです。

受験生活ではどうしても成績が最大の関心事になります。だからこそ、わが子の別の面のよさを見つけ、それを評価してあげてほしいのです。人間の価値は、いろんなところにあること、自然にそのことを知っている子は、友だちもそういう面で見ることができますから、さまざまな友だちができます。

受験生活では、子どもの奮起を促すために、「○○ちゃんには絶対負けないでね」「今度のテストは○○ちゃんに勝ったわね」といったことをつい口にするお母さんがいます。これが3年間も続くと、子どもにとって友だちは競争相手であって、協力しあう相手ではなくなります。この意識が強すぎると、入学後にいい友だち関係を築けない、勉強面でも友だちから学ぶということができず、大変マイナスで残念だということです。

また、受験生活が長くなると、金銭的、肉体的負担から夫婦ともに非常にストレスがかかります。はじめてといっていい家庭の大問題なので、これまで育ってきたお互いの人生観がぶつかります。

激しい「喧嘩」状態になったり、挙句の果てに「無視」しあうようになったり・・・・・・というご家庭もしばしば目にします。

子どもの幸せを願って始めた受験なのに、これでは何にもなりません。大切な夫婦関係が、受験で損なわれることがないよう、冷静に話し合って、協力し合って受験生活を送ってほしいものです。

ここからは私の意見ですが、「『全勝』は必ずしもいいとはいえない」結果になることがあります。子どもによりますが、中には「人生を甘く考えるようになる」子がいるのは事実です。ですから、「1つくらい不合格を経験した方がいい」ように思います。

一方、「効率よく、さほど努力しないで、親も苦労しないで合格」も望ましくないのです。

キレイゴトのように思われるかもしれませんが、合格・不合格の「結果」以上に、子どもがやるだけのことはやったという経験をし、親がわが子の努力を十分理解し、その努力をほめられる受験こそ、「いい受験」だと思うのです。

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いよいよ模擬試験シーズン!

 9月以降は、これまでの受験勉強での学力の進捗状況を見るために、また志望校をどこにするか絞るために、何回か模擬試験を受けることになります。

 受験勉強のスタートが遅く、まだ全範囲を学習し終えていないようなら、模擬試験を受けるのは先に延ばしても構いません。まだ一通り勉強し終えていないのに、皆が受けるからと受けて、悲惨な点を取って、受験への熱が一気にしぼんでは困るからです。

自信があるお子さんは別ですが、最初は問題もやさしめな模試を受けるようにしてはどうでしょう。いい成績が取れれば、子どももやる気を起こすからです。

模試では、全体の偏差値以外にも教科ごとの偏差値が出されます。また志望校欄に学校名を書くことで、各校の合格の可能性を出してくれるので、これから追い込み勉強を進める上で手がかりになります。

志望校欄には6つくらい校名を書けるのが一般的ですが、1つは思い切ってやさしい学校を書くといいでしょう。いまの段階でニコニコマークや「合格可能性50%」と出れば、子どもはうれしくなって前向きな気持ちになります。

 模試を受けだすと、親は返ってきた成績表で一喜一憂する日々を送ることになります。「あれだけ勉強したのに、なんでこんな成績なの?」「いちばん入れたいところは可能性ゼロ!」―これから何度となく頭を抱えることになるでしょう。

 毎回大きく違って当たり前なのです。回ごとに問題が違い、お子さんの得意・不得意とマッチしたり、ミスマッチしたり、模試当日頭がさえていたり、集中力がなかったり……そんなことで普段の力が100%発揮できることもあれば、60%しか出せないこともあります。

 ほとんどのお父さん・お母さんは「合格の可能性」と「偏差値」に目が行き、「○○中はムリ。もっと別なところを探さなければ…」、「受験勉強のしかたそのものがマズイのではないか。塾を替えたほうがいいのでは…」、「もっと上を望めるのでは…」といったことばかりを考えがちです。

けれども、結果に一喜一憂して騒がないでください。お父さん・お母さんの動揺はお子さんを不安にします。

「受験校を変更したほうがいいか…」は11月以降からの話であり、10月までは「どこを間違えたのか」をチェックしてやり直す、「弱い分野・単元はないか」を発見して、そこをテキストにもどって復習する、そうしたことに重点を置いてください。

 

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あって当然、親子のバトル

 受験生活では、親子ともにストレスがたまってきます。特に反抗期にさしかかる子どもにしてみると、友だちと思い切り遊べない、常に勉強に追いまくられている、親に管理されている、そうした気分が重なって、息詰まりを感じてくるものです。そんなストレスと受験へのプレッシャーがあいまって、親と子どもがぶつかる親子のバトルのシーンも増えてきます。

 「もう少ししっかりやらないと」と、激励のつもりでお母さんがかけた言葉に、「やっているだろう!」、「ママが勉強しているんじゃないんだから。だったらやってみてよ」とか「うざいんだよ」とか、かっとした子どもから激しい言葉が返ってくることがあります。お母さんのほうも「子どものため」にという意識があるため、ついかっとなって、「誰のためにママだって頑張っていると思うの」とヒステリーを起こしてしまいます。

 そんなぶつかりあいが生じたら、子どもとの間に少し距離をおいてみませんか。もしかしたら気づかずにいつの間にか過干渉になっているのかもしれません。必要以上に子どもの勉強に口や手をだし、指図していませんか。

 

 小学校も高学年になってくると、自分の意志や考えを持つしっかりとした自我が育ってくる時期です。いちいち親に指図されたり、リードされたりすることがうっとうしくなって当然です。

 

 そんな様子が見られたら、少し遠くから見守る気持ちで、本人に勉強やスケジュールの管理をさせてみるという手があります。本人の自覚が低くて、自己管理はとても無理だ、というのであれば、例えば家で勉強する時間を、塾の自習室で勉強してくる時間にあててみたりして、物理的に親子が顔を合わせる時間を少し減らしてみるというのもひとつの方法です。そんなちょっとした距離の置き方で、お互いの緊張感を回避することができたりするものです。

 

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お母さんが前に出ないで

 はじめて中学受験に臨んだときに、「合格・不合格の半分は親で決まる」という言葉が耳に入ってくると、お母さんはどうしても一生懸命になります。「私のせいで落ちるなんていうことがあってはならない。親戚からも、隣近所からも、私自身が試されている。」―そうした心理状態に陥るのです。
 「母親としてやれることは何でもやってやろう」―学年が上がり、入試本番まで日数が限られてくると、時間がものすごく貴重に感じられ、一秒足りともムダには出来ないという思いに駆られます。
その結果、起床から食事、風呂、就寝までの時間管理は無論、部屋の掃除から着るものの準備まですべて手を出して効率よく進めようとします。
 自分に自信があるお母さんほど、勉強面でも主導権を握ってリードしようとする傾向が強いのです。まさに「自分が主人公」になってしまうのです。
 中学受験は子どもが幼いから親がリードしなければならない―確かにそうした部分があります。が、最後に伸びる子、本番に強い子は、受験を自分自身の問題、自分自身の責任と意識した子なのです。
親が決めて、そのとおりやらせるのではなく、できるだけ早いうちに、子ども自身に「受験するのはお母さん、ママではなく自分なのだ」という気持ちにさせることが大切です。
 そのためにも、親が何でも先に手を打つことを止めてはどうでしょう。
「今の成績ではどこにも受からないわよ」、「○○学園の方がいいんじゃない?」、「△△の『過去問』買ってきたわよ」「××の学校説明会に行ったら」……とつい言いたくなるのはわかります。受験は時間に限りがあるだけに、焦りの気持ちから待てなくて言ってしまうのです。
じっと我慢するのは辛いですが、我慢しないで指図してしまうと、子どもはいつまでたっても自分のこととは捉えられないでしょう。
時間はかかりますが、日々の細かなことから自分でやらせるようにしないと、これから先何事も親に依存する子どもになってしまいます。
自立心がない子が、受験を自分自身の問題と考えるわけがありません。

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夏期講習がない期間は普段できないことを

この夏、お子さんを夏期講習に通わせるご家庭が多いのではないでしょうか。が、そのとき、「暑い夏、家にいても勉強がはかどらないから行かせる」と親が考えていると、子どももなんとなくゆるい気持ちで参加しがちです。

 講習料は高いということ、講習料を倹約して家で勉強するお友だちもいるということを話し、「講習料が無駄にならないようしっかり勉強してね」と、始まる前にきちんと話しておくといいでしょう。

講習のテキストが渡された段階で一緒に開いてみて、「こんなことを勉強するのね。おもしろそうね。」と、親が関心を持っていることを感じさせるのもやる気を起こさせる手です。また、漫然と通うことがないよう、予復習をどの時間帯にどのようにするか、始まる前にお子さんと話し合って決めておいてください。

そのように夏期講習に向かう意識を作り、具体的な勉強の手順を決めておくことが、夏期講習の効果を高める上でとても有効です。

受験学年でなければ、講習のない期間は講習期間中と同じようにするのではなく、極力別のことをしましょう。

 今の子は昔の子と比べて情報をたくさん持っているので、なんとなくいろんな経験もしているように錯覚していますが、実際には実体験はかなり乏しくなっています。映像を見て知識としては知っていても、自分で体験したこととなるととても少ないのが実情です。

長期旅行するなどという大げさなことをしなくても、できることはいくらでもあります。どこに出かけるかは、ついお父さんやお母さんが提案しがちですが、まずはお子さんにやってみたいことを聞いてみてください。お子さんの口から何も出てこないようでしたら、お子さんの普段の様子から興味を持っていそうなジャンルの博物館、スポーツの試合、演奏会などを候補としてみてはどうでしょう。

 またせっかく時間があるのですから、山や海、湖、川など自然の中に出かけることもお勧めです。早起きすれば結構遠くまで行けるものです。

 この夏を、お子さんの好きなことを思いっきりさせてあげる時間、そうしたものをまだ持っていなければ、興味を持って打ち込めるものを見つける時間にして欲しいのです。

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お母さんの姿勢が子どもの自立に影響

 中学受験は、自立できている子ほど合格するという話を聞いたことがあると思います。

先日会ったある女子校の校長から、こんな話を聞きました。その学校は、「自分たちが過ごす場所は、自分たちの手で清掃する」ことを教育方針にしています。ですからトイレも、毎日自分たちで交替で掃除しています。
 ところが保護者会で、母親たちから「PTAでお金を出しますから、トイレ掃除は業者にやらせてください」という声が出たとのこと。

 校長は、嘆いていました。「嫌なこと、面倒なことは、お金を払ってみんな外の業者に委託する。またそうしたビジネスがとても繁盛する。困った風潮です」
 以前は、掃除を業者に頼むということなどありませんでした。引越しにしても、荷造りは極力家族でやったものです。それが最近のテレビCMを見ていると、何から何まで引越し業者がやってくれて、本人たちは体を引越し先に移動させるだけ。
 食事にしても、ファミレスの発達のお陰で、以前だったらたまにする程度だった外食が、ごく日常的な光景になっています。外食しないまでも、中食といって、デパートやスーパーの惣菜売り場やコンビニに行けば、容器のまますぐ家で食べられる状態のものがそろっています。電子レンジにかけさえすればOKな冷凍食品もあらゆるものがそろっています。
 家事の多くを「外注化」するお母さんの姿を見て育った子が、これからいろいろなことに出くわしたとき、自分自身でやり遂げようとするでしょうか。嫌いなこと、苦手なこと、困難なことを、人に頼らず自分自身の力で解決しようとするでしょうか。
 おいしくなくても(失礼)お母さん自身が作ったもの、へたでもお母さんがかけてくれたアイロン、ピカピカでなくてもお母さんが掃除機を動かす家の掃除。毎日のそうした姿が「自分のことは自分でやるものだ」という意識を子どもの中に育てるのだと思うのです。
 本の中の立派な話よりも、お母さんの毎日の姿のほうが、何倍も子どもへの教育力を持っていると思います。お母さん自身がなるべく自分の手で家事をすると同時に、子どもにもいろんなことをやらせましょう。

危なっかしいと、つい手を出してしまいがちです。壊されたり、汚されたりするのが嫌で、子どもがやろうとする前に止めてしまいがちです。
 何かにつけて口を出し、手をかけ、挙げ句の果てにストップさせる。そして自分自身もお金を払うことで他人の力を当てにする。そんなお母さんから自立した子が育つはずがありません。
 きついことを言いましたが、お母さんのふだんの生活ぶりが、いつのまにかお子さんに大きく影響するということを忘れないでください。

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わが子の「語彙」を増やそう

今の子は学力のベースとなる「語彙力」がとても乏しくなっています。それは、親の責任も大きいと思います。

 同年代としか話さなかったら、語彙が増えるわけがありません。語彙が不足していれば、新聞を読んでも本を読んでもわからない言葉ばかりです。意味がわからないから読む気が起きないのは当たり前。

 これは親戚や隣近所の人が家に上がるのを敬遠するようになった、セールスなどの人を家に入れなくなった、子連れの外出はいつも車……要するに子どもがよその大人と接する機会を奪ってきた親の責任です。

 「語彙力」を伸ばすための基本は家庭の中の会話です。そのためには親子で顔を合わせる時間を増やさなければなりません。塾やお父さんの仕事の都合でどうしても夕食は銘々バラバラな「個食」になってしまうのなら、少なくとも朝食だけは必ず一緒に摂るようにしましょう。

おじいさん、おばあさんが近くに住んでいたら、できるだけ遊びに行かせるといいでしょう。おじいさん、おばあさんに子ども言葉を使ってもらうのではなく、ごく普通に話してもらうのです。昔の話、家にある道具の話(畳、襖、箒など、古い家には今の子が知らないものがいっぱいあります)、年中行事の話……、そうしたものについての知識が、小説や物語を読んだときに理解を大きく助けてくれます。

また、親が本を読まないで、子どもが読むわけがありません。居間にはさまざまなジャンルの本を置いておき、親自身が読んでいる姿を見せましょう。また、子どもと一緒に辞書を引く、世界地図で場所を探す、時刻表を調べるといった調べることをしましょう。時間がかかっても、子どもにやらせることが大切です。

ごく当たり前のことを述べました。一つ一つは決して難しいことではありません。ただこれらを続けることは案外難しいものです。できることから始めてみてください。

 

 

安田 理

【プロフィール】
東京都出身。早稲田大学卒業後、(株)学習研究社入社。
雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。教育情報編集部長を最後に同社を退社。
2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルタントなど幅広く活躍中。

【WEBサイト】
http://yasudaken.com/